ビルの壁面に、北向きに祀られている地蔵菩薩像があります。
昔、ある時、大雨で川が増水し、住民は土嚢を積んで堤防の決壊を防ごうとしました。
しかし、土嚢を使い切ってしまい、疲れ切った人々は、なすすべなくその場を去るしかありませんでした。
そのとき、何かを引きずって水の中に沈めるような音がしました。
翌朝、現場に戻ると、大きな石があって、堤防の決壊を防いでいました。
そして、近くには見覚えのない地蔵菩薩像が鎮座していました。
人々は、地蔵菩薩像が堤防の決壊を防いだのだと信じ、川の西岸に仏堂を建立。
堤防の方角を向く形で地蔵菩薩像を安置しました。